アフリカの窓ガラス事情

アフリカの窓ガラス
日本から遠く離れた土地であるアフリカにおける窓ガラス事情は、私たち日本人にとって十分な理解ができていないのが現状ではないでしょうか。しかし、アフリカ大陸には太古から歴史のある文化が根付いていることや、近年めまぐるしく発展している現状などもあり、歴史的にも現状的にも窓ガラスについて様々な特徴があります。
今回の記事では、そのアフリカの窓ガラス事情についてご紹介させていただきます。

アフリカで窓ガラスが使われ始めたのはいつ?

古代エジプトのガラス

ガラスそのものの歴史の始まりはアフリカ大陸の一部、古代エジプトで紀元前3000年頃から始まります。しかし、最初に作られていたガラスは工芸品としてのものであり、窓ガラスに使われる薄い板状のものではありませんでした。

古代ローマ帝国のガラス

板状のガラスが作られるようになったのは、古代ローマ帝国であると言われています。古代ローマ帝国は西暦100年頃にアフリカにもその勢力を伸ばし、アフリカの一部に巨大な植民地の都市を建設していました。そのため、アフリカにおける窓ガラスの歴史もここから始まったと考えられます。
しかし、当時のアフリカは植民地であったことから、庶民の住宅のために窓ガラスが取り付けられることはありませんでした。一般の家庭にまで窓ガラスが普及するのは、もっと先の話です。

アフリカの最近のガラス事情について

窓ガラスの生産量

アフリカでは現状として、それほど多くの窓ガラスの需要があるわけではありません。そのため、ガラスの生産体制やメーカーなどが発達していないのが大きな特徴です。このような状況であるため、窓ガラスの生産量は少ないものの、輸入には頼らず輸出をする傾向にあります。

需要の予測

ですが、アフリカは今、発展途上国であった国々が成長してきますので、窓ガラスに対するニーズが高まると予想されています。その需要の伸び率としては、中近東を含めたマーケットの、板ガラスの需要データを参照すると、2013年に3億9500万平方メートルであったのが、2030年には10億2000万平方メートルです。ざっと見て約2.6倍の伸び率ですので、凄く需要が伸びる予想が立てられていることがわかります。
上記のようなアフリカの窓ガラス需要を察知して、日本の旭硝子などは北アフリカのモロッコに拠点を置くなどしています。今後も外国企業が参入すると考えられるため、アフリカの発展とともに素晴らしい窓ガラスが多く生産されるようになるのではないでしょうか。
(参考:世界の窓ガラスの掃除・クリーニング技術

アフリカの窓ガラスが抱える問題・リスク・特徴

アフリカのメーカー

アフリカにはそれほど高いシェア率を誇るガラスメーカーはないため、自国メーカーは少ない需要を満たすだけのガラスを製造しているのが特徴です。ですが、前項でも述べたように、自動車に関する窓ガラスの需要が多くなる傾向があるため、日本のメーカーを始め他国の主要メーカーがアフリカへと参入してくると予想できます。
アフリカの窓ガラスが抱える問題は、自国で生産している窓ガラスが少なく海外資本のガラスメーカーが参入してくることから、アフリカ人に合う窓ガラスが見つかりにくくなるのが問題だと言えるでしょう。

地域の紛争とガラス

また、アフリカは地域によって紛争が起こっていることもありますが、多くの建築物で防弾ガラスが使用されていません。紛争で被弾した窓ガラスが割れて怪我をする人が居るのも、社会背景が作ったアフリカの窓ガラスの問題です。

宗教と窓ガラスの関係は?

多様な宗教と窓ガラス

アフリカには最初からアフリカの土地に根付いている数々の土着宗教がある他、ローマの植民地時代に根付いたカトリックやプロテスタントのキリスト教、そしてイスラム教スンニ派などの宗教があります。
アフリカにおける大昔のイスラム教のモスクは、ガラスを用いない窓を使用することが一般的でした。しかし、モスクや教会にはステンドグラスを利用する文化があるように、アフリカにあるイスラム教のモスク、キリスト教の教会にはステンドグラスの窓が用いられることが多いです。

コートジボワールの聖母聖堂

特にアフリカで有名な宗教が関係した窓ガラスとして、コートジボワールにある聖母聖堂のステンドグラスが挙げられます。このステンドグラスは世界一の面積を誇るものとされており、見るものを圧巻する迫力と美しさです。

まとめ

アフリカはローマ帝国の植民地化によって窓ガラスが伝来したと同時に、数々の宗教も栄えることとなりました。それがアフリカにおける窓ガラスの歴史に大きく関係していると言えます。ただ、まだ発展途上であることもあり窓ガラスの技術が他地域よりも進歩しているわけではありません。
しかし、予測的に今後、窓ガラスの需要が高く見込める地域であるため、今後、アフリカの窓ガラス事情は大きく前進していくのではないかと思います。