アメリカの窓ガラス事情

アメリカの窓ガラス
普段から目にしている窓ガラスは、アメリカという国においてどのような存在なのでしょうか。日本という遠く離れた土地にいる私たちからすると、アメリカの窓ガラス事情はあまりよく分かりませんよね。それに日本人とは違った歴史背景や生活様式があるアメリカですから、その窓ガラス事情は様々な特徴があります。
今回の記事では、アメリカにおける窓ガラスの歴史や特徴、問題、そして最新の窓ガラス情報などについてご紹介いたしましょう。

アメリカの窓ガラスの歴史

17世紀以降に発展

アメリカにおいて窓ガラスが使われ始めた時期は明確ではありません。しかし、アメリカのヨーロッパの植民地化が16世紀にあり、その頃には既にヨーロッパで窓ガラスが製造されていました。ですので、16世紀の時点でアメリカでも窓ガラスが使われていたことが推測できます。
アメリカのガラスの普及に影響したとされるヨーロッパのガラス事情や歴史について知りたい方は、こちらの記事:ヨーロッパの窓ガラス事情で詳しくご説明しています。
アメリカ本土において板ガラスの製造がなされるようになったのは、17世紀以降です。1700年代後半には当時北アメリカで最も栄えていた都市であるフィラデルフィアで、窓ガラスの製造が行われていたという記録が残っています。しかし、17世紀〜18世紀にかけてはまだヨーロッパの植民地であったこともあり、窓ガラスの製造はそれほど大きく進歩しませんでした。

高価だった窓ガラス

窓ガラスの黎明期である上記の時代には、窓ガラスの需要は多いものの供給が少なく、高価なものとされていました。そのため、高価な窓ガラスを部分的に使い、あとはシャッターで窓をカバーするような窓ガラスのスタイルが一般的になっていたようです。

アメリカの最近の窓ガラス事情

アメリカの窓ガラスメーカー

それでは過去の窓ガラス事情から一転して、アメリカにおける最近の窓ガラス事情についてです。アメリカにはガラスメーカーが幾つかあり、それらの窓ガラスメーカーは、独自の技術で最新の窓ガラスを提供しています。
例えばアメリカの窓ガラスメーカーのペラ社では、二重の窓ガラスの間に、ウィンドウアクセサリーを入れ込むという画期的な窓ガラスを販売しています。ウィンドウアクセサリーというと、格子状の木枠であるとか、ブラインドなどの窓ガラスを彩るものたちです。これらが窓ガラスと窓ガラスの間にあるため、デザイン的にも見栄えが良いですし、埃が溜まりにくいので衛生的にも良いアイデア性のある窓ガラスになっています。

アメリカの近未来のガラス

また、他の例としては、コーニング社はスマートフォンのような形で窓ガラス上で操作ができたり、タッチすると自動車の窓ガラスにスモークがかかったりする近未来的な窓ガラスを製造しています。
従来のような機密性や強度が高いだけではなく、優れた機能とスタイリッシュさを付加するのがアメリカの最先端の窓ガラス事情であると言えるでしょう。

アメリカの窓ガラスが抱える問題・リスク・特徴

気候風土に合わせた特徴

窓ガラスにはその土地や国柄の風土が現れることがあります。アメリカの窓ガラスには、気候の変化や竜巻などの外界からのダメージ、保温性などを重視する点から、ガラス部分は強く、複層ガラス(二重以上に窓ガラスが重なっているもの)枠組み部分は樹脂製の窓ガラスが一般的であるのが特徴です。
これらの窓ガラスの特徴は、快適な生活を送る上でとても良い性能です。しかし、その点、コストが高いという問題点が生まれてきます。

日本との比較とコスト

日本ではコストの面から窓ガラスは一枚で、窓枠はアルミ製であるのが一般的です。それに比べるとアメリカの窓ガラスは高いコストをかける要素が多く揃っているため、日本人からしてみると価格が高いと感じてしまうでしょう。

宗教と窓ガラスの関係は?

キリスト教とステンドグラス

ステンドグラス
窓ガラスは装飾品としての役割もあるため、宗教におけるその存在価値を示す上でも多様に使用されてきました。アメリカに強く根付いているキリスト教においてもその傾向があり、キリスト教が関係している教会や聖堂では、数々の美しい窓ガラスであるステンドグラスが取り付けられています。
キリスト教が関係している窓ガラス、ステンドグラスとしては、アメリカ最古の教会であるトリニティ教会のものが有名です。また、宗教が関係しているステンドグラスのある建築物として、ワシントン大聖堂が挙げられるでしょう。

ステンドグラスの美しさの理由

ステンドグラスなどの窓ガラスの美しさは、その宗教の威厳にも見受けられます。アメリカではキリスト教関係の建築物で煌びやかなステンドグラスが多いのは、それだけキリスト教がアメリカ国民に浸透し、指示されている結果だと言えるかもしれません。

まとめ

アメリカの窓ガラスは、アメリカという国の発祥の歴史から発展しない不遇な時代がありつつも、現代では大きな進歩を遂げ世界最先端とも言えるような製品にもなっています。
さらに、キリスト教文化によって美しいステンドグラスを作る技術が発達した点も、機能性の高さだけではなくスマートさを併せ持つ、現在のアメリカの窓ガラスに通じているのではないかと思います。