世界の窓ガラスの性能を比較! 日本と外国の違いはあるの?

ガラスの性能
日本は先進国の一つということもあり、窓ガラスについても他国に引けを取らない国です。しかし、世界は広いもの。諸外国の窓ガラスに目を向けてみると、日本の窓ガラスにはない性能や特徴などが多くあるのも現実です。
この記事では、その世界の窓ガラスと日本の窓ガラスについての性能を比較し、日本と外国の窓ガラス事情の違いについてご紹介させていただきたいと思います。

世界の窓ガラスの断熱性能の比較

単板か複層か

世界各地の窓ガラスと比較したところ、日本の窓ガラスの断熱性能は後進国と言えるかもしれません。なぜならば、日本以外の国で使われている窓ガラスの多くは断熱性能が非常に高いからです。
断熱性能の差は、外国で使われているガラスの構造にあります。日本における窓ガラスは、一枚もののフロートガラスが一般的です。しかし、諸外国の窓ガラスはペアガラスや合わせガラスなど、数枚のガラスが複層構造になっているものが多く使用されています。諸外国の窓ガラスはこの複層構造により、非常に高い断熱性能を発揮しているのです。

空調設備に頼らない窓ガラス

熱帯地域はそれほど複層ガラスの徹底は行われていませんが、四季のある国、寒冷な国では複層ガラスの取り付けはスタンダードです。そのため、寒い国であっても、あまり空調設備を使わずとも部屋の中は冬の日本のように寒くないと言われています。

世界の窓ガラスの防犯性能の比較

侵入時の衝撃と窓ガラス

日本は非常に治安の良い国であるため、世界の中では防犯意識の低さが目立つ点が指摘できます。そしてそれは窓ガラスにも当てはまるのではないでしょうか。
一般的に日本で使われているフロートガラスは、叩けば割れるガスバーナーで熱せば溶かせるものなので、防犯性能は非常に低いです。その点、世界の窓ガラスは叩いても割れにくいタイプのガラスが取り付けられている傾向にあります。
日本では防犯ガラスの取り付けはガラス専門の修理業者が請け負っています。

前項の断熱性とも関係してくるのですが、日本で空き巣などが常套手段として用いる窓ガラスの三角割り(フック鍵部分のみを三角状に割る方法)はペアガラスでは行いにくいとされています。省エネ目的でペアガラスを導入している諸外国の窓ガラスは、同時に防犯性も兼ね備えていると言ってもいいでしょう。

絶対に割れないガラス?

また、オランダのGTC−Nというガラスメーカーは、言葉の通り「絶対に割れないガラス」を作成しています。このガラスはハンマーで叩いて割れないのはもちろん、電動ドリルでも貫通させることができないそうです。このような最強のガラスが開発される点からも、世界の窓ガラスは日本と比べてかなり防犯性は高いと考えられます。

世界の窓ガラスの機能性・使いやすさの比較

音や紫外線のカット

世界各国の窓ガラスには、断熱性能や防犯性能以外にも様々な機能が付加されています。その機能の中でも特徴的なのが、遮音性能やUVカット機能です。
先述させていただいたように、諸外国は複層的なガラスが一般的です。なので、外部の騒音を部屋の中に響かせない、部屋の中の音を外に出さない性能が優れている点が挙げられます。アメリカのメーカーの例を挙げると、Hardというメーカーの複層ガラスは外の騒音を50パーセントカットできるものなどがあり、世界各国でのシェアがあります。
また、複層ガラスの中間剤として紫外線吸収フィルムが挟まれています。そのため、諸外国のガラスはUVカット機能についても高い性能を誇ります。つまり諸外国の多くの窓ガラスには、断熱性・防犯性に加えて遮音やUV対策などの幾つもの機能がパッケージ化されて提供されていると言えるでしょう。

まとめ

世界各国の窓ガラスは、日本でスタンダードに使用されているフロートガラスではなく、ペアガラスや合わせガラスなどの複層ガラスがスタンダードとなっています。ですので、生活における機能性の面では日本の窓ガラスと比較して世界の窓ガラスはとても便利です。そしてこのことからも、日本は窓ガラスの分野で、世界的に見てかなり遅れているとも見ることができます。
しかし、この現状となっているのは、日本の窓ガラスメーカーの技術力が低いからではありません。それよりも、私たち日本人が窓ガラスに対して機能性に関する知識が少なかったり、機能性を求めていなかったりするのが原因でしょう。そのため、日本が世界の窓ガラスのレベルに至るためには、日本国民が機能性の高い窓ガラスを欲することが大切だと考えられます。